フクロモモンガの餌について

フクロモモンガは雑食性の動物です。ナッツ類を食べるイメージですが色々なものを食べています。このページではモモンガの野生下での食生活と飼育下では何を与えるのかを書いています。

1.野生のフクロモモンガの食生活
2.飼育下のフクロモモンガの食生活
3.与えてはダメなもの
4.フクロモモンガの好物
5.餌を食べないモモンガには

1.野生のフクロモモンガの食生活

野生のモモンガはどんなものを食べているのでしょうか。
フクロモモンガは雑食性の動物です。現在わかっている食事内容は下記の通りです。

昆虫類・果物・ユーカリのガム・樹液、花・蜜・小鳥・卵・小さいトカゲなど。
昆虫の多い時期には昆虫を中心に、それ以外の季節は植物性のものを食べています。
四季折々の食生活を送ることによりバランス良く栄養を摂取出来ています。

2.飼育下のフクロモモンガの食生活

飼育下で野生のモモンガと同じ食事内容にするのは困難です。
飼い主が栄養バランスを考えて与える必要があります。個体によって餌の好き嫌いもあります。
では、どのような餌を与えたら野生のようにバランスよく栄養を摂取できるのでしょうか。
代用の餌は下記の通りです。

昆虫類

熱帯魚屋など売られているコオロギ、ミルワームなどの生餌もしくは缶詰。
リス、ハムスターなどの小動物用のニボシ（犬猫用は少し塩気があります）
※屋外にいる昆虫は与えないでください。寄生虫や感染症の原因になります。

昆虫は、そのままだとリンの比率が高過ぎなので私はあげていません。
ニボシもリンの比率が高いですがカルシウムも多いです。1日に2匹ほど与えます。

果物・植物性蛋白質

旬の果物をあげます。新芽、生の種子は毒性のある場合があるので取り除きます。
モモンガは体が小さいので少しでも中毒になります。新芽、種子を包丁で切った場合は洗って与えましょう。

樹液、花・蜜

茹でた野菜をあげます。冷凍食品のミックスベジタブル・コーン・枝豆など。
さつまいも・カボチャ・炊いた米・キャベツ・豆腐・ペット用ドライフルーツ・ペット用ミックスナッツ・鳥用のローリーネクター・ビタシロップ・人用の無添加ジャム・無添加パンなど。
※水分の多い葉物野菜は食べすぎるとお腹が緩くなることがあります。

動物性蛋白質

こちらも茹でたものをあげます。鳥のササミ・卵（白身は少し）・豚肉のバラ（脂身は除去）
人用のプレーンヨーグルト（砂糖なし）・ペット用干しタラ・チーズ・モモンガミルクなど。昆虫の代わりになる栄養です。

総合栄養食

いわゆるカリカリ系ペットフード。モモンガフード・リス、ハムスターフード・フェレットフード・モンキーフードなど。
ドライフルーツ・ナッツ類などの乾き物を混ぜて与えます。
※ペレット類はほとんど食べません。素材そのものを乾燥させたフードが好みです。

フクロモモンガに毎日あげる餌

常設の餌

小動物全般に言えることですが常に何かを食べられる状態にしておく必要があります。
※空腹状態が続くと低血糖で痙攣を起こすことがあります。

ドライフードにミックスナッツ、ドライフルーツを混ぜたもの。
お奨めはリス、ハムスターフード6：ミックスナッツ3：ドライフルーツ1の割合にニボシをプラス。
※2日分を入れて余っていても捨てます。カビの繁殖、ペッペカスが混ざるため。

夜にあげる調理餌

プレーンヨーグルト・ミックスベジタブル・コーン・鳥のササミ・季節のフルーツなど。
鳥のササミは1回分を冷凍して小分けしておくと便利です。冷凍、生ものは茹でます。
基本は1日1回、夜にご飯をあげます。常設の餌はドライ系を与えます。※昼間に起きて少し食べます。

※ヨーグルトがない場合は豆腐を代わりにあげるなど栄養バランスを工夫してください。
モモンガはカルシウムが不足しがちです。太り気味のモモンガには動物性脂質を減らしてください。

授乳中の個体がいる場合は毎日モモンガミルクや豚肉など栄養価の高いものをあげてください。
乳の出がよくなって赤ちゃんも健康になります。
1年で3回、妊娠する個体もいます。特にカルシウムが不足します。ご注意ください。

1匹分はこの位です。多めなので朝に皿ごと引き揚げてください。
内容：茹でたサツマイモ・茹でた冷凍食品のミックスフード・茹でた鳥のササミ・無糖プレーンヨーグルト

3.与えてはダメなもの（死ぬことがある）

人のオヤツ・カカオ（チョコ含）・アボカド・バラ科（イチゴはOK）・ユリ科・ネギ類・ジャガイモなどの芽・生の大豆・新芽・種子（サクランボ・モモ・アンズ・梅・ビワなどは加熱していてもNG）・カビの生えたもの・腐ったもの・生肉・生卵（サルモネラ菌）・ほうれん草・牛乳（乳糖を分解できない）・フルーツの缶詰・塩・熱すぎ冷たすぎ（人肌の温度がよい）・その他中毒性のあるもの。
※即死レベル：アボガド（ペルシン、殺鼠剤にもなっている）・塩・ネギ・アーモンドのカビ・ジャガイモの芽・生の大豆

注意が必要なもの（あまりあげないこと）

柑橘類・葉物野菜（あげすぎると下痢になる）・砂糖（砂糖単体はNG）・ミルワーム（栄養バランスを整えたものは可）
※ハチミツは幼児期に毎日あげるとボツリヌス症で死にます。ご注意ください。
市販のモモンガミルクに大量の砂糖を混入しているメーカーがあります。あまりに甘い匂いのするミルクは毎日与えないでください。

4.フクロモモンガの好物

甘いフルーツ類：メロン・リンゴ・ミカン・梨・バナナ（軽く茹でる）・マンゴー・パパイヤ・キウイ・甘柿
※熟れていないと食べません。また、熟れていないと危険な果物もあります。
動物性：鳥のササミ・豚肉・ゆで卵・ニボシ・モモンガミルク・ミルワーム
野菜類：ブロッコリー・枝豆・キャベツ・人参・熟したトマト
穀物類：コーン・サツマイモ・カボチャ・炊いた米
ナッツ：クルミ・ピスタチオ（自分で殻を剥けない）・アーモンド・ヒマワリの種
※脂質の多いナッツは肥満モモンガに与えすぎないようにしてください。
加工食品：豆腐（茹でる）・プレーンヨーグルト・竹輪・パン・ペット用干しタラ・ビタシロップ・無塩チーズ・ペット用クッキー・ドライフルーツ（無糖）など。
※全て無添加推奨。上記は食べすぎる場合があります。ご注意ください。

オヤツとしてあげるもの

ペット用干しタラ・ビタシロップ・無塩チーズ・ペット用クッキー・ミルワーム・ペット用ヨーグルトドロップ・小動物用ゼリー（昆虫用はホルモン剤を含む商品があるのでお奨めしない）・モモンガミルク（幼児期と授乳期は主食に追加）

5.餌を食べないモモンガには

好物とカリカリフードを混ぜてフードプロセッサーで細かくしてやると食べるようになることがあります。
モモンガミルク、ハチミツ、無添加ジャムなどを加えるとより効果的です。
※ハチミツは幼児期に毎日あげるとボツリヌス症で死にます。ご注意ください。

モモンガにも食育が必要です。離乳時期から色々な餌を与えて好き嫌いを少なく育てるのが大切です。
ペット屋さんで購入する前に何を食べさせていたか聞きましょう。経費削減でドライフードと水だけのショップもあります。
長く一緒に過ごしたいなら食育をきちんとしているショップからお迎えしましょう。

たくさん書きましたがほんの一例です。食べても良いもの、悪いものには他にも沢山あります。
判断の基準としては人間の子供が嫌いなものは毒性が含まれているものが多いということです。
ピーマン、セロリ、ハーブ、牡蠣、ネギなど。好き嫌いが分かれる食べ物には理由があるんですね。
これあげても良いかなと思った時に思い出してください。不安なものはあげないようにしましょう。